統合失調症の診断と基準

統合失調症の診断法としては、医師が何回か面接し、詳しい情報を集めて統合失調症かどうか判断するのが最も精密で信頼度も高くなっています

統合失調症には、特徴となる症状や共通の症状もありません。そのため、正しい診断をするためには、統合失調症を発症する前、発症の前後、発症してから現在に至るまでの経緯を、詳しく正確に知る必要があります。

統合失調症、発病の傾向

年頃の女性統合失調症の多くは成人前期(18~24歳)に発病します。
青年期に、自我を確立しようとする動きが契機に、それまでおとなしかったのが、突然目覚めたように活発になり、勉強に励み、サークルに入ったり、積極的に発言しようとしますが、どこか性急で無理があるように見えます。
その後、不安、あせり、緊張などが強くなり、頭痛や動悸、吐きけ、不眠など、体の不調がみられることもあります【前駆期】。前駆期を経て、急性期に入ると、他者や社会との相対的な関係がますますとれなくなり、自分を中心に世界が回り始めます。不安が強まり、緊張したり、落ち着かなくなります。「自分の知らないところで何かが仕組まれている」といった「妄想」や、「幻覚」などもあらわれます。人もいます。いずれにしても、その状態がはたして統合失調症という病気のためなのかどうかを見きわめることが大切です。そのためには、本人を連れていかなくてもかまいませんので、家族が、保健所や医療機関に相談に行くことが望まれます。

統合失調症の診断基準について

統合失調症の診断基準で国際的に広く知られているのは、国際疾患分類「ICD・10」と「DSM・Ⅳ」になります。「ICD・10」は、国際的に使用する統計のため、世界で受け入れられるように診断の基準も国際的合意を優先して取り入れる傾向にあります。逆に「DSM・Ⅳ」は、アメリカ国内での臨床のありかたを前提としているので、国際的には必ずしもスムーズに利用できるわけではありません。「ICD・10」は病気の診断分類を、「DSM・Ⅳ」は病気の診断基準を示すという傾向が強いようです。

ICD・10

【国際疾患分類の第10改訂版】

世界保健機関(WHO)が1992年に公表した『疾病および関連する健康の諸問題に関する国際統計分類』、つまり国際疾患分類の第10改訂版のことです。これはもともとWHOが各国の死亡統計をとるときに、病名をつけるために分類したのがはじまりと言われています。
現在でも『疾病、傷害および死因統計分類提要』として国内でも翻訳されているように、すべての病気を分類しています。その第Ⅴ章に、「精神および行動の障害」という項目があり、そのなかに統合失調症が分類されています。

DSM・Ⅳ

【精神障害の診断と統計の手引き第4版】

アメリカ精神医学会(APA)が一九九四年に発表した『精神障害の診断と統計の手引き第4版』の略称です。DSM・Ⅳは、アメリカ国内で薬の効果を調べたり研究を行う際に、その対象となる統合失調症の患者さんを均一にしたいという狙いがあります。アメリカ国内でも統合失調症の診断に偏りやちがいがあったためです。

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