抗精神病薬の働きと有効性

医学的にも抗精神病薬が有効であることは証明されています。抗精神病薬の使用で約70%で統合失調症の症状(陽性症状)が改善、25%で軽度の改善もしくは変わらず、残りの5%は悪化すると言われています。

ドーパミンの情報伝達を抑える作用

brainCN9902.jpg統合失調症に効くのは、このドーパミンの働きを抑える作用によるものと思われるのです。
抗精神病薬は、第1号のクロルプロマジン以後、さまざまな種類の抗精神病薬が作られてきました。ここ数年は、新しいタイプの非定型抗精神病薬も登場していますが、これらすべての抗精神病薬には共通の作用があって、それは、ドーパミンの情報伝達を抑える作用です。

ドーパミンとは?

ドーパミンとは、脳内の神経細胞の間を行き来する、神経伝達物質のひとつです。運動系統、食欲中枢の働きを弱めたり、精神作用に関係する情報を伝えます。うきうきした感情を高めますが、多すぎると過覚醒の状態になって、イライラしたり、不安感や緊張感が強くなったりします。抗精神病薬は、このドーパミンを受けとる細胞(受容体細胞)にくっついて、ドーパミンを働かなくさせるアンタゴニストのような役割をします。

脳の障害を回復させ症状を改善する作用

抗精神病薬が脳の障害を回復させ、症状を改善する効果があります

陽性症状を軽減

抗精神病薬は、特に陽性症状に効果をみせます。特に、攻撃的で奇異な行動に効果があり、行動がおだやかになります。一方、幻聴は完全に消える人もいますが、ほとんどの場合、軽減にとどまります。しかしながら、いつも感じる激しい幻聴が、日に一、二度の静かな雑音程度に減るので、振り回されることはなくなります。しかし、従来型の抗精神病薬では、陰性症状(感情の平板化、無関心、思考の貧困など)にはあまり効果がみられず、ときには悪化することもあります。

知覚を改善

知覚とは、見たり、聞いたりして入ってきた情報を脳が認識する機能です。たとえば、周りの人が何かを言っても、統合失調症の場合、耳はその音を受けとりますが、脳がその言葉を理解できないのです。
抗精神病薬は、知覚を正常にする働きがあるので、現実をそのまま見たり、感じたり、理解できるようになります。

不安感や恐怖感を軽減

抗精神病薬の効果には、不安感や恐怖感を和らげる効果があります。恐怖感や不安感は、適応障害の1つで、外部で起こっている出来事に対応できなくなっていることから起こります。

脳の働きの維持と回復

統合失調症になると、脳の活動が非常に低くなりますが、抗精神病薬には、脳(前頭葉など)の障害を回復させ、社会で活動できるようにする働きがあります。

経過を向上させ、再発を防ぐ

抗精神病薬は、統合失調症の症状改善意外にも、脳の神経細胞の機能を回復する効果があります。
神経細胞の機能が回復すれば、ストレスからの刺激にも強くなり、病気の経過もよくなり、再発も抑えられます。同じような意味で、入院日数を短縮し、再入院率を下げることも可能になるわけです。

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